オー!マイ・ハワイ!
まなみはニコっとして首をかしげた。
純粋な修二もさすがにからかわれているのがわかったのか、むーっと膨れてプイッと窓の方を向いてしまった。

「ごめん修二、冗談だって。機嫌なおして。ね?」

「やだ」

やだって……。そう言われても困る。

「じゃあどうしたら機嫌なおしてくれる?」

「うーん……じゃあきょうから日本に帰るまで、俺の部屋に泊まってくれる?」

「はっ? え?」

そうくるとは思わなかったのでびっくりした。泊まる? 修二の部屋に?

「でも私も部屋あるから、一緒じゃなくても……」

「婚約者だろ? 同じ部屋でも問題ないじゃん」

「まあ、そりゃそうだけど……私たち期間限定なんだよね?」

「婚約者には違いないだろ? それに別々の部屋に泊まってるのが詩乃にバレたらあやしまれる。大丈夫、ベッドルームは二つあるから」

「うん……わ、かった……」
「じゃあさっそく、きょうからな」
「え? きょう?」
「何か問題でも?」
「いや、ないけど……」

『期間限定の婚約者』
まなみの心にそれがズシンとのしかかった。自分で言ったくせにしょぼくれてどうすんの。しょせんお遊びの関係。だからよけいに、修二のことを本当に好きになりそうで怖かった。

いや、もう好きになっていたから、《《婚約者役》》が終わるのが怖かった。
「ほんとにおかわりするとは」
修二があきれたようにくすりと笑った。

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