オー!マイ・ハワイ!
もんもんと困ってうろたえていると、あの隆史が高山さんに声をかけているではないか。おいこらまて! 俺が先に高山さんに声かけるところだったんだぞ! だいたいお前は女性には困ってないだろう?終始、高山さんは隆史と楽しそうに話しこんで、俺の入る余地はどこにもなかった。それどころか他の女の子に話しかけられて、それを無視することもできず、もたもたしていたらパーティーはお開きになっていた。

くっそー!! 悔しかったがもう遅い。高山さんと隆史はすっかりいい感じになったらしく、すぐに付き合い始め、婚約までしたと、ウワサできいた。

俺は高山さんのことが、頭から離れず、あの天使の笑顔を何度も思い返していた。どうやったら俺のほう向いてもらえるんだろうか。

頭の中であんなデートやこんなデートを妄想する。もちろん呼び方はまなみさん! あぁ、もうそれも夢となってしまったのか。富山最終日。行きつけの居酒屋で会社の人とお得意さんが、俺の送別会を催してくれた。もちろんあの隆史も出席した。あとで高山さんも来るとは知らなかったけど。

「北山さん、俺さみしいです。東京いっても、また富山にきてください」

隆史はかなり酔っていて、涙ながらにビールを注いできた。

「またぜひ。親父の会社、スマート農業にも最近力を入れているので、そちらもよろしくお願いします」

< 88 / 154 >

この作品をシェア

pagetop