オー!マイ・ハワイ!
「あ、それそれ! イノリファームさんのスマート農業、めっちゃ興味あるんですよ。他にも何社か話は聞いてるんですが、ぜひそちらのお話も聞かせてください」

「わかりました、また資料などお送りしますね。詳細のお話をしをさせていただければありがたいです」

ひと通りの営業トークも終わって、あとは飲みまくるだけというところだった。
ガラガラ──部屋の引き戸があいて、誰か入ってきた。こっちこっち、と隆史が言うのでみると、高山さんがニコニコと手を振って隆史の方へ歩いてきていた。
ちょっ……なっ……ええっ!?
いまこのタイミング? 俺はもうあなたと隆史が婚約したと知ってかなり打ちひしがれて、すべて忘れて東京に帰ろうと思ったのに、なぜ諦めさせてくれないんだ!?

ポカンとしていると、隆史がここに座ってと高山さんに言うので、俺は席を横にひとつずれた。

すみません、と高山さんは小さな声で言うと、コートを脱いで俺と隆史の間に座った。

「北山さん、今度俺たち結婚するんです。まなみ、こちらは北山修二さん。農機具を納品してもらったんだけど、4月からは東京に戻られるそうだ」

「はじめまして。高山まなみといいます。東京はいろいろ楽しそうですね」

< 89 / 154 >

この作品をシェア

pagetop