コンクリートに蝉の抜け殻
「明日、あいてる?」
「あいてるよ」
「んじゃ明日、早速だけど勉強会したい。どうかな」
「する!」
「俺の家でもいい? 教え合いながらがいいから、話せるところがよくて」
「行きます。えっと、その、緊張しちゃうかもしれないんだけど」
予防線を張る。自信がなくて。また少し、思考が後ろ向きになりかけた。けれどすぐにもどってくる。保科がもどしてくれたから。
「俺がたくさん話しちゃうだろうから、バランスいいかもよ」
「そっか。……っ、あはは! 嬉しい」
「無糖の紅茶用意しとくからさ、いつものコンビニ待ち合わせでいい?」
「うん。時間は──」
まだまだ続く夏に思いを馳せて、近いいつか、保科がこのまちを離れる日を考えて、それでも、手放せないなと再度頷いた。
あつくてあつくて、けれど、夏は結構好きだと思う。
おしまい。


