笑顔が消える
出逢い①

俺は······

小野 暁 ( おの あきら ) 47歳
四菱銀行で支店長をしている。

大学を卒業して
四菱銀行に入行
海外にも行き学んで来た。

当時付き合っていた彼女と
海外勤務から帰国したら
結婚しようと約束していた。
戻り次第 プロポーズするつもりで
指輪も準備して·····いたが······

帰国をサプライズにして
彼女のマンションへ
合鍵を使い中に入ると
彼女は裸で知らない男性の下にいた。

彼女は、違うんだと何度も
言ってきたが
何が、違うのか
俺にはわからず
俺のマンションの鍵を返さない
元彼女に弁護士をたて
鍵返して貰い
その後、俺は直ぐに
引っ越しをした。

女性にも結婚にも
興味はなくなり
仕事ばかりの日々を送り
おかげで俺は、
どんどん出世して行った。

その後
両親や銀行の上司から
心配されて
お見合いや紹介があった。

あれから八年(28歳→36歳)
優しそうな女性だったから
結婚しても良いかと思った。

熱くなるような愛情はない。
だが、一緒にいて違和感もなかったから。

上司の紹介で。
取引先の会社のお嬢さんだった。

だが、彼女には恋人がいたらしく
見合いの話が進む中
彼女は、恋人と行方をくらました。

上司も彼女の両親も
俺や俺の両親に詫びていた。

俺は、しばらく日本を離れて
アメリカ支店勤務となった。
上司も両親も腫れ物に触れる
扱いだったから

正直、もう女性に興味?もない
嫌、苦手な存在となっていた。

そんな俺の精神状態を
両親も心配していたから
結婚の話し等は一切無くなった。

両親には悪いが
俺には縁がないのだと思う。

アメリカから帰国して
Cafe-tasteへと足が向いた。

実は、太智さんのお父さんと
俺の父親が友人で
太智さんがカフェをオープンする時に
太智さんのお父さんと
俺と父親と四人で
何度か話しをした。

土地の相場、建設会社など
どの位の費用がかかるかを。

太智さんとは最初から
馬が合って
よく飲みにもでかけた。

太智さんのカフェが
本格的に始動するときには
融資の話も四菱銀行で行った。

だから、香菜恵さんとも
会っているが······

俺が、女性を苦手にしているのを
知っているから
香菜恵さん自身も
俺に客として接してくれる。

アメリカから帰国して
太智さんのカフェへ行くと······
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