笑顔が消える
小野 暁1️⃣

あれから彩代さんとは
毎日ラインのやり取りはしている
と、言っても
俺が一方的にやっている感は
拭えない。

でも、引っ越しも手伝った。
香菜恵さんも太智さんも
一緒だったが。

離婚を決めてからは、
少しずつ元気になってきた彩代さん。

だが·····
時より寂しげな顔をする。
やはり·····と、思うが
俺は考えたくないから
そんな時は、彩代さんに
声をかけて俺を見てもらう。
彩代さんは、ん?って言う顔をしているが
俺を瞳に映してくれる。

離婚届が受理されてからは、
カフェの仕事もほぼ毎日入れている。

太智さんが、お客様も定着してきたからと
定休日を設ける事になった。
火曜日に

彩代さんは、火曜日は休み
土日のどちらかを半日で帰る。
家の事が出来ないでしょ
と、香菜恵さんが。

俺は、行ける日は、
太智さんの店に行き
帰りに彩代さんを
送って帰る。
そんな日々を送っていた。

そんな中
「明日、弁護士の先生の
事務所で説明があると連絡がきて
行ってきます。
香菜恵には、明日お休みに
して貰ったから。」
と、彩代さんが言うから
心配になり
「行かなくては
行けないのなら一緒に行く。」
と、言うと
一瞬びっくりした顔をした彩代さんは、
首を振りながら
「兄も子供達もいますから。」
と、言うから
「わかりました。
何かあっても、嫌、無くても
連絡下さい。」
と、言うと
彩代さんは、寂しそうに笑いながら
「小野さんに心配ばかり
かけていますね。
ごめんなさい。」
と、言うから
彩代さんを抱きしめて
「勝手に気に病んでいるだけですから
彩代さんが気にする事は
ありません。
それに毎回、心配だからと
抱き締めてしまい·····すみません。」
と、離れてから伝えると
彩代さんは、笑いながら
「うふふっ。今更ですか?
と、言いたい所ですが。
嫌だ、とか。嫌悪感とかが···ないのです。
不思議ですね。」
と、言われて、勝手なことしている
俺の方が照れてしまった。
< 37 / 57 >

この作品をシェア

pagetop