笑顔が消える
思わぬ

HOTELに隣接している教会で
本日式を挙げる。

小野家からは、
暁さんのご両親

柳瀬家からは、
母と兄夫婦と兄夫婦の子供達
と空也、真代、星也が。

太智さんと香菜恵も。

ウェディングドレスは、
香菜恵と選んだ。
二人で沢山笑いながら······

年も年だが
今日だけは許して欲しい
真っ白な裾のながーいドレスにした。
着てみたかったんだよね。

スタッフの方から案内されて
教会入口へ向かうと······
燕尾服を着た男性が
その方が·····振り向く········
三嶋のお父さん
立ち止まり涙が溢れる。
スタッフの方からも
ティッシュを頂いて拭きながら
「彩代さん。おめでとう。
    幸せになるんだよ。」
と、言ってもらえて
なんども頷き
「·····ありがっ···とう····ございます···」
と、伝えると
スタッフの方から簡単に化粧直しを
していただいて
扉の前へ
スタッフの方より手をお父さんの
腕に添えられると

  ❝ 扉が開き ❞

顔をあげると
優しい眼差しの暁さん。

隣にいる三嶋のお父さんを
見上げると
お父さんは、優しく微笑まれて
一度、頷いてから
皆さんに二人でお辞儀をしてから
一歩ずつ進む。

暁さんの前に着くとお父さんは
「どうぞ、彩代さんを
宜しくお願い致します。
本日は貴重な体験を
ありがとうございました。」
と、頭を下げた。
「必ず、二人で幸せになります。
本日は、彩代と共に
歩いて頂きありがとうございます。」
と、暁さんが頭を下げるから
一緒に下げる。
暁さんとお父さんに
「暁さん。ありがとう。
お父さん、ありがとうございます。」
と、伝えて
暁さんの腕に手を添えると
暁さんがその上から手を重ねてくれた。
「三人の子供達からの願いだよ。」
と、暁さん。
どんな気持ちで受けたのだろうか
と、心配になると
「彩代。俺は嬉しいんだよ。
とても、優しい子供達の父親になれて。」
と、言う暁さんに
またまた、涙が溢れる。
「あきら····さん····
「彩代。とてもきれいだよ。」
と、言われて
うん、うんと声にならずに
頷く私。

回りからも鼻をかむ·····音が·····

落ち着いてから
式は厳かに行われた。

忘れられない一日となった。
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