笑顔が消える
女性として

両家の挨拶も終わり
兄・和希や空也と飲みにでたり
している暁さん。

仲良くて良かった。
母も喜んでいた。

私はというと
小野のお義母さんと
買い物したり
お家に遊びに行き
デザートを作ったりしている。

暁さんに相談して
三嶋のご両親と赤木先生に
結婚の報告をした。

三嶋のお父さんからは、
祝福の手紙を頂いた。
そこには、修也さんの
近況が少しだけ書いてあった。

二人は、結婚するのだと
思っていたから
東北の地で
一人頑張っているようです。
と、書かれていてびっくりした。

暁さんは、修也さんが
一人でいることを心配していたが
まず、あり得ない。
事をきちんと伝えた。

私は、小野 暁の妻なのだから。

そう、式はまだだが
母や兄、子供達がすすめてくれて
小野のご両親からも
[ 是非 ] と言われて
先に入籍をした。

暁さんの回りからは
驚きの声が凄かったようだが······

私は、暁さんを心から愛している。
こんなに素敵な人が五年もの間
既婚者である私に当たり障りなく
接しながら
心配してくれたり
励ましてくれたり
笑顔を見せてくれたり
忙しい中、どれだけ
通ってくれて顔を見せて
くれたか·····
本当に感謝しかない。

暁さん曰く
彩代が好きだっただけ
たとえ、自分の気持が届かなくても
彩代には、笑顔でいて
欲しかったから。
まあ、できるものならと
悪魔もいたんだよ。
と、笑っていたが······

また、いつの日か
暁さんも修也さんみたいに
他の女性に惹かれるかも知れない
と、怯えはある。

そうならないように
自分磨きもきちんとやりたい
と、いくつになっても考えていると
「彩代、また、変な事考えてる?」
と、暁さん。
どうして?と思っていると
「難しい顔をしながら
寂しいと言うか
恐怖?みたいな顔をしてる。
ほら、話して。」
と、言われて
ポツリポツリと話すと
暁さんは、私を抱き締めて
「彩代。
そんな事 ないよ。
と、本心から言っても
不安なものは不安だよね。
それなら、いつでもそう言って
一人で考えられる事の方が
怖いからさ。
俺は、いつでも彩代に気持ちを
伝えていくよ。
彩代が重い位に。
大好きだよ、彩代。
どうしてよいかわからないくらい
彩代を愛してる。」
と、言って貰えて
暁さんの胸の中で
何度も首を振りながら
「私も。私も大好き。」
と、伝えると
暁さんに抱き上げられて
「ごめん。我慢できない。」
と、言われて
そのまま寝室へ
えっと思っているまに
暁さんに沢山翻弄されて
ぐったり。

暁さんに負けないように
体力つけようかな
と、一人幸せを噛み締めながら
考えていた。

修也さんとは、何年もずっと
身体の関係もなくて
自分は、女として
なんの魅力もないと思っていたから
暁さんから大事に大切に抱かれて
その上、一日に何度もを
毎回なんて······
恥ずかしいけど。
女性として見てもらえていると
思うと嬉しくなる。
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