最強総長は姫を眠らせない。🌹

 パシッ。
 (そら)くんは木刀を受け取ると後ろに宙返りし、距離を取って木刀を中段に構える。

 (あらし)くんは木刀を下段に構え、同時に床を蹴り上げると、2本の木刀がまるで火花を上げるかのように激しくぶつかり合う。

 ピッとお互いの右頬が切れる。

「やるじゃん」

「てめぇもな」
「だが俺はあの時とは違う」


「絶対雪乃(ゆきの)を助ける!」


 (そら)くんの顔が鬼の形相に変わる。

 渾身の一撃が(あらし)くんの頭に決まった。

 (あらし)くんは木刀で地面を突き、ガクッと足をつく。
 額から血が流れた。

「今回はこのくらいにしておいてやるよ」
 (あらし)くんはそう言って立ち上がると、倉庫の外まで歩いて行く。

 (そら)くんは私の口の布と紐を解く。
 そして切なげな顔をして強く抱き締めた。

「あー、心臓、いくつあっても足らねぇ」

「もう…会えないかと思った……」
(そら)くん…昼休みはごめんなさい…」
「意識しずきちゃって…恥ずかしくなって私、避けちゃった……」

 (そら)くんは安堵する。
「……なんだ、てっきり嫌われたのかと思ったわ」

「嫌う訳ないよ……大好きだよ……」

 あ、私、勢いで何を……。
 顔が熱い。

「なら」
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