最強総長は姫を眠らせない。🌹
宙くんは夜空に最後の一発を撃ち放った。
「暴走族鬼雪、全国の頂点に立ったぞ!!」
宙くんが大声で勝利宣言をすると、
「オオオオオオオオオ!!」
意識のある鬼雪の族達は歓声を上げる。
「…最後無駄弾にしやがって」
琉くんは切れた唇から血を流しながら嫌味を言う。
「動けないてめぇを撃つ方がよっぽど無駄弾だ」
「この2年間、氷浦を、白坂、お前を潰す為に奮闘してきたがようやく果たせたわ」
「許すことは一生ないがお前が――琉がいたから俺はここまで強くなれた。それだけは感謝してやる」
「はっ、この俺を倒したんだ」
「…仕方ねぇ、認めてやるよ黒沢、いや」
「宙《そら》」
琉くんはなんとか左手で拳を作り、宙くんに向かって突き出す。
コツンッ。
宙くんは跨ったバイクを横に少し倒し、震えた左の拳に自分の右の拳を突き合わせた。
そしてバイクで赤い屋根のレンガ倉庫まで走って行く。
え、宙くんこっちに向かって…琉くん?
「あー、ぼんやりしてよく見えねぇ…」
琉くんは切なげに笑う。
「姫…好きだったぜ…」
「俺の手で…幸せにしてやりたかった…」