最強総長は姫を眠らせない。🌹

 (りゅう)くんは両目を閉じた。

 私はぐっと切なさを堪えて、ボロハンガーにかかったハーフコートを着てリュックを肩にかけ部屋から出る。
 そして階段で1階まで降り、扉を開けようとするも開かない。

 え、外から鍵がかかってる!?
 どうしよう!

 扉の外からバイクのエンジン音が聞こえた。

雪乃(ゆきの)、そこにいるか?」

 (そら)くんの声だ…。

「うん、いるよ!」

「なら離れてろ」

「分かった」
 私は扉から離れる。

 ガンッ!
 (そら)くんが扉を勢いよく蹴った音がした。

 扉が開く。
 私はリュックを放って駆け出す。

 お互い強く抱き合った。

雪乃(ゆきの)、大丈夫か?」

「うん、血だらけだけどなんともない」
「恐らく血糊(ちのり)だと思う」

「そう…」

 え、体震えて……。

(そら)くん…? 泣いてるの…?」

「泣くわ。マジで…生きてて良かった…」

(そら)くんも…生きてて良かった…」
 私は喉の奥から、堪えきれないように嗚咽を何回も漏らした。
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