破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
聡明な彼女が未来の王妃に選ばれたのが、良く理解出来る。だからと言って、その忠告を理解は出来た私がすんなりと聞き入れられるかと言えば、それはまた別の問題で。
「……素を出せば、きっと嫌がられると思ったのよ。クレメントは、大人しくしている方が好きみたいだったから。いつもの私みたいな感じだと、すぐに振られてしまうかもって」
「私が見たところ、あの俺様クレメントには、もっときっぱりはっきりと物を言った方が良かったと思うわよ。でも、あの男の事は既に別れて終わった事だし、もう良いでしょう。ところで、失恋してからすぐに心の整理が付いていない段階で、ディアーヌが私を呼び出すという事は、クレメントと別れた以外でも何かがあったんでしょう?」
流石、未来の王妃に以下略。幼い頃からずっと一緒に居て、何でも話し合う関係のラウィーニアには私の行動で何もかもお見通しみたいだった。
「ランスロット・グラディスに告白された」
彼女に促された通りに白状すると、いつも冷静なラウィーニアにしては、とても珍しくぽかんとした表情の後で机に両手を付き、勢い込んで私に向かって聞いた。
「いつ? 何処で?」
「……素を出せば、きっと嫌がられると思ったのよ。クレメントは、大人しくしている方が好きみたいだったから。いつもの私みたいな感じだと、すぐに振られてしまうかもって」
「私が見たところ、あの俺様クレメントには、もっときっぱりはっきりと物を言った方が良かったと思うわよ。でも、あの男の事は既に別れて終わった事だし、もう良いでしょう。ところで、失恋してからすぐに心の整理が付いていない段階で、ディアーヌが私を呼び出すという事は、クレメントと別れた以外でも何かがあったんでしょう?」
流石、未来の王妃に以下略。幼い頃からずっと一緒に居て、何でも話し合う関係のラウィーニアには私の行動で何もかもお見通しみたいだった。
「ランスロット・グラディスに告白された」
彼女に促された通りに白状すると、いつも冷静なラウィーニアにしては、とても珍しくぽかんとした表情の後で机に両手を付き、勢い込んで私に向かって聞いた。
「いつ? 何処で?」