破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
大国が抱える数多くの戦闘部隊の中でも極小数で最強を誇る彼らの強さは……こうして目の当たりにするまで多少の誇張も含まれているのではないかと思ってはいたんだけど。この状況を見れば、それはまぎれもない真実だったみたい。
破れ被れになったジェルマンが、自暴自棄になって誰かに指示をしたのか。危なげなく凍った海面を歩いて来る彼らに何本かの矢が飛んでいった。けど届く前に、何か透明な壁のようなものに阻まれて、それは呆気なく落ちた。
何人かの騎士たちに最も守られるべき存在のコンスタンス様が、先頭を切ってこちらに歩いてくるのだから。何かの魔法で守護されていると考えるのはのは、当たり前のことなんだろうけど。
そうしようと思って先頭に居るのかは私にはわからないけど、ジェルマンの罪状には王太子への加害行為も含まれることになるだろう。
そして、私たちはこちらに着々と近付いてくる彼らの表情を見て、自分たちは救助される側だというのに……守ってくれるはずの彼らに、なんともおかしなことだけど背筋がぞくっとするような冷ややかな恐怖さえ感じてしまった。
破れ被れになったジェルマンが、自暴自棄になって誰かに指示をしたのか。危なげなく凍った海面を歩いて来る彼らに何本かの矢が飛んでいった。けど届く前に、何か透明な壁のようなものに阻まれて、それは呆気なく落ちた。
何人かの騎士たちに最も守られるべき存在のコンスタンス様が、先頭を切ってこちらに歩いてくるのだから。何かの魔法で守護されていると考えるのはのは、当たり前のことなんだろうけど。
そうしようと思って先頭に居るのかは私にはわからないけど、ジェルマンの罪状には王太子への加害行為も含まれることになるだろう。
そして、私たちはこちらに着々と近付いてくる彼らの表情を見て、自分たちは救助される側だというのに……守ってくれるはずの彼らに、なんともおかしなことだけど背筋がぞくっとするような冷ややかな恐怖さえ感じてしまった。