【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~

9.しくじりと涙と残酷な笑顔

 それからしばらくは、とても忙しい日々が続いた。

 初めに誰が宴のどの部分を担当するのか、王子たちの間で調整をしなければならない。皆が同じことを企画しても、意味がないどころか、共倒れになるからだ。

 具体的には、会場の設営や食事、音楽等の手配について、どの王子がそれぞれ担当するのか。それから、当日の指揮系統の確立が必要だった。

 けれど、3人の王子たちはお世辞にも仲が良いとは言えないらしく、顔を合わせようともしない。おかげでクララは城内を駆けまわり、伝令役を務める羽目になった。


「で、結局俺たちは舞台担当になった、と」

「はい……スミマセン」


 クララは唇をギザギザにしながら、勢いよく頭を下げる。コーエンは小さくため息を吐いた。
 本当はフリードは、会場の設営を希望していた。そう他の王子にも意向を伝えたのだが。



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