【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
「フリードのような軟弱ものに、会場設営の大役は務まらない。俺と俺の部下たちならば、完璧にその役割を果たせる。そうだな、シリウス!」
「はい、殿下」
質素堅実。城内とは思えない程、全く飾り気のない第1王子の執務室。
ピリピリと張り詰めた空気のこの部屋には、主であるカールと内侍イゾーレ、それからカールの側近である赤髪の騎士・シリウスがいて、直立不動の姿勢をとっている。
(相変わらず威圧的だなぁ)
クララは負けじと背筋を伸ばしながら、真っ直ぐにカールを見上げた。
「お言葉ですが、フリード殿下は決して軟弱な方ではございません。それに、実際に動くのはお二人ではないと存じますが」
本当はクララは、フリードの強さを知りはしない。けれど、王妃から幼い頃の彼のヤンチャ具合を聞いているので、軟弱とまでは言えないはずだ。
それに、会場設営の際に実務に当たるのは、騎士たちであって王子たちではない。ならば、どちらが担当をしても、差はないはずだ。
「ならば問おう。おまえは今、どうして姿勢を正している?そんなに身体を強張らせてこの場に立っているんだ?」
「はい、殿下」
質素堅実。城内とは思えない程、全く飾り気のない第1王子の執務室。
ピリピリと張り詰めた空気のこの部屋には、主であるカールと内侍イゾーレ、それからカールの側近である赤髪の騎士・シリウスがいて、直立不動の姿勢をとっている。
(相変わらず威圧的だなぁ)
クララは負けじと背筋を伸ばしながら、真っ直ぐにカールを見上げた。
「お言葉ですが、フリード殿下は決して軟弱な方ではございません。それに、実際に動くのはお二人ではないと存じますが」
本当はクララは、フリードの強さを知りはしない。けれど、王妃から幼い頃の彼のヤンチャ具合を聞いているので、軟弱とまでは言えないはずだ。
それに、会場設営の際に実務に当たるのは、騎士たちであって王子たちではない。ならば、どちらが担当をしても、差はないはずだ。
「ならば問おう。おまえは今、どうして姿勢を正している?そんなに身体を強張らせてこの場に立っているんだ?」