【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
10.伯爵令嬢、公爵と結婚する
 カリーネは相手が元婚約者だろうが怯むようなことはしなかった。今、自分はこのストレーム国の魔導具認証委員会の一員としてこの場にいるのだから、という思いがそうさせていたし、隣にラーシュがいてくれることも心強い。

「それで、どのようなお話でしょうか」
 ラーシュと並んでソファに座り、早速本題に入る。

「なんだ。元婚約者なんだから、もっと楽にしろよ」

「私は今、魔導具認証委員会の一人としてお話を伺っております。元婚約者であるかどうかは、関係ありません」

 ラーシュは黙って二人の会話を見守っている。カリーネが何か害されるようなことがあれば助けに入ろうと思っているが、彼女が頑張っているうちは、見守りたいとも思っていた。

「相変わらず、つまらない女だな。見かけだけは俺の好みだというのに」
 一体、この男は何をしにきたのか、という思いがカリーネの中に生まれる。隣に座っているラーシュも少しイライラし始めていることに気付く。

「こちらも限られた時間でお話を伺いますので。早速、お聞かせいただいてもよろしいでしょうか」
 あくまでも事務的にカリーネが口にすれば、ちっと、ヘルムートも舌打ちをする。

< 204 / 222 >

この作品をシェア

pagetop