【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
 見たことのない子供が一人いれば、ボルネマン会長も気になるのだろう。

「私の弟子よ」

「なんだ。一瞬、隠し子かと思ったぞ? 弟子だと? とうとう老後のことが心配になって、弟子をとったのか」

「相変わらず、失礼な男ね。だから、奥さんに逃げられるんでしょ?」

「失礼なところはお互い様だな。そんなところに突っ立ってないで、そこに座れ」

 重みを感じる白い執務席に座っていたボルネマンだが、三人を迎え入れればすっと席を立ち、その前に置かれているソファの方へと移動する。
 ベルをチリリンと鳴らして秘書を呼びつけたボルネマンは、お茶の準備をするようにと指示をする。
 三人はカリーネを真ん中にして、ボルネマンの向かい側に座る。

「それで、揃いも揃って、一体私に何の用だい?」

「カリーネ。持ってきたあれを出してくれ」

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