夢の中だけでもいいから私に愛を囁いて
婚姻届を提出して2ヶ月が経とうとしていた。
そして、今朝は珍しく俺も夢を見た。その夢では乃愛が俺たちの赤ちゃんを腕に抱いているというものだった。幸福感を味わいながら目覚め、隣にいる乃愛を見つめていた。
「乃愛も幸せそうな顔してるな…」
幸せそうな顔をする乃愛を近くに感じるだけで、幸福感が倍増する。思わず髪を一房掬い口づけていると乃愛が目を覚ます。
「う…ん……たく…とさん…」と甘えた声が聞こえ、腕を伸ばしてこられ、俺はギュッと抱きしめ返していた。
「おはよう」と声をかけ、俺は自分が見た夢のこともあり乃愛に「今日は夢を見た?」と尋ねてみると乃愛は腕の中で頷いた。
「どんな夢?」
「あのね…恥ずかしいんだけど、私のお腹が大きくなってて卓人さんがお腹に話しかけてる夢を見たの。もしかしたら…赤ちゃんできてたりして…なんて…」
「俺もなんだ。俺のは乃愛が赤ん坊を腕に抱いてる夢だった」
照れくさそうに話す彼女に俺も同じ夢を見ていたと興奮を抑えきれなかった。
「すぐにできるとは思ってないけど…本当にいるかもしれないな…」
「だったら、嬉しい?」
「もちろんだよ。いつかこの夢も本当になるといいな」
無意識にまだ平らな乃愛のお腹に手をあて囁く。
「愛してるよ」
「私も。愛してる」
夢の中だけでもと望んでいた言葉をお互いに言い、顔を寄せる。
「この先もずっと一緒だぞ」
「はい…」と言って、またキスをした。


