寡黙なトキくんの甘い溺愛
倉掛さんの肩に、俺の頭を置く。
すると倉掛さんは、まだ俺が調子悪いと思っているのか「大丈夫だよ」と頭を撫でてくれた。
あたたかい、とても優しい彼女の手――
「トキくん、色々ありがとう。トキくんがいなかったら、私、今日をこんなにも楽しめなかったよ。
トキくんがいてくれて良かった。いつも助けてくれるトキくんは……私のヒーローだね。
いざと言う時に頼りになる、そんなカッコいいヒーロー」
「……っ」
なぜだか泣きそうになった。
久しぶりに聞いた、その言葉。
俺がその言葉を聞いたのは、二回目。
俺が変わるきっかけになった、彼女の思い――