寡黙なトキくんの甘い溺愛
「私、もっとしっかりする。もっと頑張る。頑張ることから始めてみるよ……!」
「ん、砂那なら出来る。応援してる」
ニッと笑ってくれるしずかちゃん。照れ臭くなって「へへ」と笑い返した。
だけど、次にしずかちゃんが見せた笑みは、ニヒルなそれで……。
「あ、あれ?しずかちゃん?さっきまでお弁当箱の袋を持ってなかった?なんで今、お化粧道具を持っているの……?」
「やっぱ、自信をつける近道は、お化粧という魔法をかけることだと思うんだよね、私は」
「へ、へぇ〜……それを、今、私に?」
おずおずと聞くと、しずかちゃんは「許して砂那」と言って近づいてきた。とても容認できそうにない。
きっと、あの道具で私はまた塗り替えられる。それは何だか恥ずかしくて、今の私はいたたまれなくて……「大丈夫だよ!」と言って、急いでお弁当箱を袋に戻した。
そして、