寡黙なトキくんの甘い溺愛
「トキくん」
ギュッ
私は、座ったまま思い切り横を向いて、トキくんを抱きしめる。大きな体に、必死に手を回す。するとトキくんは一瞬ビクリと反応したものの……しばらくすると、応えるように私の背中に手を回した。
トキくんの忙しい心臓の音が聞こえる。ドクンドクンって、破裂しそうなほどの振動。そして、衝動。全て私に向かっていると思うと、私の芽が、また大きく伸びた気がした。
「トキくん」と名前を呼ぶと、少しだけゆらっと揺れた彼。少しの沈黙の後に「うん」とだけ、弱々しい声で返ってきた。
「私も、トキくんの事が好き」
「へ……?」
「トキくんの事が、大好きだよ」
「~っ」
ギュウと力を籠めると、トキくんからも返ってくる。私と同じくらいの力で。あるいは、それ以上に。