この恋が終わるとしても 僕は君と居たかった。
side



美月side


「ワァァァァァ」
「キャァァッァァ」


遊園地に来たのはいつぶりだろうか。


私は、ジェットコースターの隣にある、観覧車の前にあるベンチに座って友達を待っている。


そういえば昔。


この遊園地で。


そうか私はあの時、あの観覧車の頂上で。


稔と付き合ったのも、初めてデートした場所もここの遊園地の観覧車の頂上だった。



そして………




別れたのも。




もう懐かしくなるよ。

別れた「あの日」を思い出して泣いた夜を。

付き合った時は、嬉しい涙が止まらなかった。

はじめてのデートで、ナンパされた私を稔が守ってくれた。

コーヒーカップを全力で回して笑い合ったこと。

ジェットコースターが終わって、泣いてたこと。

ちょっと強がりを見せた稔とお化け屋敷に入って稔が怖がっていたこと。

もうあの楽しかった日は戻らない。

幸せで溢れた、素敵な思い出を忘れないようもう思い出さないよう何処かにしまっておこう。

そんな愛も時も観覧車がとめどなく時間を回していった。

あの頃のことは、嘘みたいで笑えるね。

今頃元気にしているかな?












稔side


何もかもがあの観覧車が始まりだったね。

もう戻れない日々へ

手の届く場所なのにもう話せないのか。

でも、やっぱ美月がいいんだ。なんてね。

遅いよね

今更

あの頃に戻れたらななんて、ずっとあの日を夢見ている。

今日もまた一人で夜を越える。二人の時は寂しくなんかなかった。

だけど今はやっぱ寂しいな。

AM 5:00 眩しい日差しが、閉じた瞼をまたノックした。

まだ、眠い瞼を開ける。

目を覚ましたら君がいるんじゃないかと少し期待をしてしまう。

僕が起きた時嬉しそうに笑う君の笑顔はもう見れない。

君と作ったミサンガはまだ切れないまま。

このミサンガのように、君への愛がまだ切れない僕










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