闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
 へぇ、と理解の声を出しながら、本当にハンター協会ってなんでもやってるんだなぁと不思議な気分になった。


「俺が保健室に通ってる理由のもう一つがこれだし」


 そう言いながら、血液パックの飲み口を開けて口をつける。


「……まずい」


 一口飲んだ櫂人はあからさまに顔を(しか)めた。

 そんな櫂人に久島先生は苦笑しながら話し出す。


「ははっ……やっぱりそうなるのね」

「やっぱり?」

「“唯一”の血を味わった吸血鬼は、その美味しさゆえに他の人の血が美味しくなくなるらしいのよ」


 下手をすれば受け付けなくて吐き出すらしいから、櫂人はまだましなんだそうだ。
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