闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
「……人を危険な目に遭わせておいて、よくそんなに堂々としていられるね」


 関わりたくないから黙っていようと思っていた。

 でも、こうまで突っかかってくるなら私も黙ってはいられない。

 櫂人に助けてもらえたから良かったけれど、下手したらあのまま死んでいたかもしれないんだから。


 考えないようにしていた怒りが沸き上がってくる。

 大人しくしていようと思っていたけれど、思い出したらもう無理だった。


「危険な目? でも無事だったんでしょう?」

「ヒントだってあげたんだから、すぐに見つけられたでしょう?」

「見つかるわけないじゃない! 私、茜渚街には初めて行ったのよ⁉」


 あまりの言いように感情のまま怒鳴った。
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