真っ白な世界。
最期に平助は

まゆきさんの手を

しっかりと握った。

きっと願いを込めて。



「ま、ゆきも、が、ば···」


〝がんばれ〟


その一言は言えずに

目を閉じて言った。

「ゆっくり休め、弟」

私が静かに耳元で言うと

どこか微笑んでいるように見えた。

「平助っ!へいすけぇ···」

こんなに泣きわめく姿は

初めて見た。

何とか平助から引き離し

抱きしめた。
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