Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。
入ってきたのは、さっきの部屋にいた白い髭のおじいさんと、中年のおばさんだった。
私は慌てて体を起こす。



「どうした?具合が悪いのか?」

「え?い、いえ、大丈夫です。」

「医師は必要ないか?」

「は、はい。いりません。」

「そうか、なら良かった。
しばらくの間だが、ゆっくりしなさい。」

「はい、ありがとうございます。」

とは言ったものの…全然意味がわからないんですけど。



「今の人は?」

二人が立ち去ってから、私はメイドさんに訊ねた。



「宮廷魔道士の最高位であられるサーマリー様と、弟子のロザリー様です。」



(宮廷…魔道士…?)

占い師か預言者みたいな人のことなのかな?
メイドさんは、確か、サーマリー様が、私を鏡から呼び出したって言ってたよね?
つまりは、さっきのおじいさんが、私を呼び出したってこと?



(でも、呼び出すって…)



もしかして、私…やっぱり、人さらいにあったってこと?
眩しい光で私を眠らせて、蚤の市から私をこのアルシオン城に連れて来た!?



「ま、まさか、私…見世物小屋に売られたりしないよね!?」

「おかしなことを。そんなことはございません。」

メイドさんの言葉にホッとした。



「貴方様は生贄です。」

「え、ええっ!?」


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