【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 でも流石に一晩では消えるわけがない。

 私は深くため息を吐いてシャワー室を出た。



 部屋に戻ると私は制服を着てみる。

 今日から冬服だから初めて袖を通すことになる。


 夏服と同じくラインが赤の、少し変わったデザインの冬の制服。

 もらった時からちょっと着てみるのを楽しみにしていたんだ。


 シャワーを浴びたからか、頭の中も少しスッキリしたみたい。

 新しい制服に少し気分が上昇した。


 それで少しの間姿見で自分をチェックしていたけれど、そのあとは何もすることが無くて困った。

 昨日嘉輪に迎えに行くまで部屋からは出ない様にと言われたんだ。

 だから迎えを待たないとならない。


「……あれ? もしかしてシャワーもダメだった……?」

 嘉輪の話をちゃんと思い出して、そこに思い至る。


 ヤバイ、嘉輪に怒られる⁉

 いや、でも何もなかったし。

 それに寝ぼけてたし嫌な夢見てて気分を変えたかったし……。

 そうして悶々と言い訳を考えているうちに迎えの時間になったようだ。

 コンコン、というノックの音に思わずビクリと肩を揺らす。


「聖良、準備出来てる? そろそろ行きましょう?」

 嘉輪の声が聞こえて、私は「今行く」と声を上げてカバンを持った。

 忘れ物が無いかだけ軽く確認して、ドアを開ける。


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