男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
「はい。お父様、お呼びでしょうか?」
サラが部屋に顔を出す。

「サラ、実は今カイル団長から聞いたのだが、晩餐会にカターナ国からも要人が招待されるそうだ。
もしかしたら、私を落とし入れサラの聖水を狙っている敵が紛れ込む可能がある。

参加を取りやめるか?」

カイルとボルテを交互に見てサラは言う。

「それは、良い機会ではないですか。
こちらから探さなくても、向こうから来てくれるなんて。」
気丈にも、にこりと笑って言う。

「危ない目に合うかもしれないが、大丈夫か?」
父であるボルテ公爵がサラに聞く。

「カイル団長は?ご参加されるんですか?」

「私は、警備を任されております。
当時は万全を期して任務にあたる所存です。」
サラはカイルに微笑みかけて、

「それならきっと大丈夫です。」
そう言う。
「カイル団長、よろしく頼む。それまでに私は回復しなければならないな。」
そう言って優雅にお茶を飲むボルテは落ち着いている。

「御意に。心して任務にあたる所存です。」
サラを危険に晒す事、程のいいおとりじゃないかと国王陛下にさえ怒りをぶつけそうになった。
だが、本人は良い機会だと言う。

サラらしいと思うと同時に心配になる。
本当は強がりな泣き虫だと言う事をカイルは知っている。
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