男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
「そこに居るのが陸軍の近衛隊長だ。少し挨拶をする。」
サラにそう告げ、一緒に近付き礼を取る。

「お久しぶりです。近衛隊長閣下。」
サラもカイルに続き、覚えたてのリアーナ国式のお辞儀をする。

「おー!カイル騎士団長じゃないか!
珍しいな。客人として参加するのは初めてじゃないか?」

「ええ、まぁ。」
とカイルが軽く相槌をすると、今度はサラに目を向けて、
「こちらが噂の婚約者殿だな。なんとお美しい女性じゃないか!紹介してくれ。」
口髭を撫でながら近衛隊長はサラを見る。

「婚約者のサラ・サラマンドラです。
サラ、こちらは近衛隊長のマルクス閣下だ。」

「初めてお目にかかります。サラと申します。どうぞよろしくお願いいたします。」
サラは深くお辞儀をする。

「こちらこそ。見目はいいが、なかなかの堅物のカイルが婚約したと聞いて、驚いていたんだ。貴方が、ボルテ公爵のお嬢さんか!
聡明な目をしておるな。末永くカイルをよろしく頼むぞ。」

「父をご存じなのですね。こちらこそ不束者ですが、よろしくお見知り置きの程を。」
微笑み挨拶を交わすサラはどこから見ても、素敵な淑女だった。

「うちの家内を紹介しよう。」
奥様もとても気さくな方で、ドレスやアクセサリーの事で話は弾む。
カイルと近衛隊長もしばし話し、その場も和む。

「お話は尽きませんが、国王陛下に挨拶がまだなのでこの辺で失礼します。」
カイルが話しを切り上げてやっとその場を離れた。
その後も何人かに同じような挨拶を交わし、やっとホールの入口に辿り着く。
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