男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
「ホールに入る前だと言うのに、既に疲れた…。」
カイルが呟く。サラは少しだけ笑って
「私もです。」
と、賛同する。
「喉が渇いたな。」
そう言って、近くのウェートレスにシャンパンとオレンジジュースを頼む。
カイルは飲み物を受け取ると、サラを導いてホール内に足を踏み入れる。
ホール内からはオーケストラがワルツの音楽を奏でていた。
中央には楽しそうに踊る若い貴族達、それを取り囲むように、来客者達が楽しそうに語らう姿が見える。
「足は痛まないか?どこかに一度座るか?」
カイルはサラを心配し、いつもよりまして過保護なる。
「まだダンスも踊っていませんから、足は大丈夫です。それよりも、国王陛下にご挨拶に行かなくてよいのですか?」
「あれは、その場を抜ける為の口実だ。
国王陛下に挨拶が遅れても問題無い。
ここに来るのが遅くなったのも、陛下のせいだから。」
そう言ってサラを壁際に連れて行き、寄りかからせながらジュースを渡してくれる。