怜悧な外交官が溺甘パパになって、一生分の愛で包み込まれました

「もちろんだ。離れている間も、君への愛が消えることはなかった。どれだけ時間がかかっても、沙綾を取り戻すと決めて日本へ帰ってきたんだ」

やっと自分のものになったのだと実感したくて、目の前の身体を思い切り抱きしめた。

躊躇いがちに背中に回された手に煽られるように、愛しさに比例して彼女に自分を刻みつけたい衝動に駆られた。間近で視線を合わせ、名前を呼び、小さな赤い唇を塞ぐ。

狭い口腔内をくまなく舌で蹂躙し、沙綾が苦しげに喉を鳴らしても貪り続けた。

(やばいな、全然余裕がない……)

今気持ちを確かめあったばかりだというのに、気を抜けば暴走してしまいそうな情欲が滾っている。

(ダメだ。もうすぐユウキさんが湊人を連れて戻ってくる)

必死に理性をかき集め、最後にもう一度だけとリップ音を鳴らして軽いキスを落としてから、覆いかぶさっていた姿勢を正し、沙綾の濡れた唇を親指で拭ってやる。

「悪い。ふたりが帰ってきたらまずいよな。公園まで迎えに行こうか」
「た、拓海さん……」
「ん?」
「まだ、時間あるから……もう少しだけ……」

潤んだ瞳でねだるように誘われれば、理性は砂のように脆く崩れ去っていく。

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