怜悧な外交官が溺甘パパになって、一生分の愛で包み込まれました

すると、口を挟まずに見守っていた拓海が、沙綾と反対側の湊人の隣に移動して腰を下ろした。

「湊人、これまで一緒にいられなくてごめん。だけど、これからは俺とママと湊人の三人で、ずっと一緒にいたいと思ってるんだ」
「ずっと、いっしょ?」
「そう」

再び黙り込んだ湊人をじっと待つ。

その時間はほんの数秒のはずなのに、とても長く感じられた。

「たくみは、ぱぱなのねぇ」
「ん?」
「なーんだ! じゃあねぇ、いいよ」

満面の笑みで答えた湊人に、沙綾と拓海の頭上にクエスチョンマークが飛び交う。

「湊人、なにがいいの?」

思考がまったく読み取れず沙綾が質問すると、湊人はにこにこしながら説明してくれた。

「あのね、ぱぱとままはなかよしなのよ、かぞくなの。たくみ、ぱぱなら、ままだいすきなの、いいよ」
「パパじゃない人は、ママのこと大好きなのはダメなの?」
「んー。だめ」
「ふふっ、そっかぁ。ダメかぁ。でも拓海さんはパパだからいいんだよね?」
「うん!」

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