年下彼氏の結婚指導
05.
 そして翌日は大反省会である。

(うう……やってしまった……)
 大して飲んでいない筈なのに頭が痛い。
 理由なんて知れた事。
 華子は隣ですやすやと眠る翔悟に苦々しい思いで頬を突こうとして……止めた。
 
 本当にどういうつもりなのか。
 実は彼は相当に質の悪い男で、華子に自分の内心点を上げようと取り図っているとか──
(……それはない)
 そんな事をせずとも翔悟は優秀だ。
 
 そもそもあのショットバーの近くに彼の家があるとは思わなかった。やっぱり帰るとは言えない距離な上、華子の肩をガッチリと掴む力は異様に強かった。
 更にいつの間にか預けていた鞄の行方が分からなくなっており、翔悟がシャワーを浴びている間にやはり、と部屋を飛び出そうとしたものの──気付けば服すら無い有り様で……目も当てられなかった。

 もう自分には帰る術など無いのだと、そんな状況に愕然としてからは、あっという間の出来事で。
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