年下彼氏の結婚指導
(……そういえば廉堂君は仕事以外、観月さんと過ごす時間が多いかも……)
 お昼、休憩、出社、と。急な残業がない時は退社時間も合わせている徹底ぶりだ。
(これはいくらなんでも廉堂君も分かるだろうし、情も湧くわよ、ね……)
 華子との関係を後悔してるならきっと……

「彼って何か品がありません? もしかしたらどっかの御曹司とかなのかもー」
「……そう?」
(確かに礼儀正しい人だけど)
 うきうきと告げる結芽に華子は生返事を返した。
(私、廉堂君の事、何も知らないわね……)
 当たり前だ。華子は翔悟と一度関係を持っただけで話なんてロクにしていないのだから。
 その後距離を置いたのも自分。なのに何故こんなにモヤモヤするのだろう。
(……違う。女の子なんて言われて、舞い上がってるのよ……)
 何が違うのかは考えないようにして、華子は楽しそうな結芽に相槌を打つ。
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