年下彼氏の結婚指導
「頭でっかちの恋愛しか出来なくて、いい年して枯れてると思ってたら、急に運命に会ったとか言い出した兄貴の話、聞きます?」
「……っ、それは」
 楽しそうに告げる久斗に華子は真っ赤になった。
 その話ならこの二日で散々と翔悟から聞かされてきている。もうこれ以上はキャパオーバーだ。

 ニヤつく久斗を睨みながら、翔悟が華子を抱き寄せた。
「余計な真似するな久斗。あとそんなにジロジロ見るな、減る」
「減るって何?! 本当に本命の彼女が出来たんだなー。今まで俺が兄貴の彼女と話そうが二人でいようが大した反応も見せなかったくせに。いや、でもおめでとう? やっと兄貴に春が来たな!」
 手を叩く久斗に翔悟が苦々しい顔をする。そんな翔悟をまじまじと覗き込めば、翔悟はバツが悪そうな顔で華子を見た。
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