オチタカラス

猫を拾いました

 律サイド
 俺は、黒八神律。
 世界No2の黒八神組の若頭で、黒八神財閥の御曹司。
 そして、世界No1の族の輝龍の総長で、顔もいいほうだからモテル。
 けど、女嫌いだから、煩わしい。
 今日は、雨が降っていたから、車に来てもらった。
 いつも通る公園を何気なく、のぞくと、
 雨に濡れているのに、ベンチに座っている人を見つけた。
 口が勝手に動いていた「止めろ」
 傘を持って、そいつのところに行った。
 そいつは、下を向いていた。
「ねぇ、あんた、死ぬ気?」
 と言った。
 そうしたら、コクっとうなずいた。
「そう、あんた名前は?」
「春輝」
「春輝、死ぬんだったら、その命俺に頂戴。
 くれるんだったら、この手を取って」
 そういうと、春輝は俺の手を取った。
 とってくれた。
 すると
「名前」
 と言われた。あーそういや名乗ってなかったな。
「俺は、律」
 すると、
「律」
「ん」
 とかえすと、
「寒い」
 と言って瞼を閉じて、俺に寄りかかってきた。
 春輝の体に触れると、熱かった。
 きつそうなので、
「おやすみ」
 と言ったら、寝てしまった。
 寄りかかっているけど動けないから、横抱きにした。
 そうしたら、羽のように軽かった。
 そして、車に乗せて、運転手の鈴木に
「木村病院に行け」
「承知」
 木村という黒八神組所有の病院だ。
 そこの専属医が木村だ。
「着きました。若」
「あぁ」
「木村さんには、連絡を入れています」
「ありがとう」
 春輝をお姫様抱っこをして、木村のところに連れて行った。
 木村に診せた。本当は診せたくなかった。
「どうだ」
「ただの熱だ」
「よかった」
「しかし、若が、女を、連れてくるなんて」
「何があったんですか」
「公園で拾った。春輝は俺のものだ」
「ハハッ」
 するとそこに
「若、春輝様の情報が出てきませんでした」
『ハ?』
「私がやっても出ませんでした」
これでも鈴木は世界No2だぞ。
「ご苦労様、下がっていいぞ、鈴木」
「御意」
「木村、春輝の病室」
「はいはい」
 そして春輝の病室に行った。
 もちろん個室。
 男と同室とか、俺が許さん。
 そして、ここで一晩過ごした。
< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop