白虎の愛に溺れ死に。
「…ひいいい!」
「伊達、耳栓どうした。」
「あ…、」
「あ、じゃねえ。…お嬢に恥かかせんな。殺すぞ?」
「す、…すんませんっ…!」
黒いオーラを放って発せられた言葉は、すごい圧で…。
私の前ではいつも柔和な表情の彼だが、やっぱり裏の社会で上り詰めた怖い男なのだと実感する。
「莉音さん…うちにはこういうずるい輩ばっかなんで。お口チャックでお願いしますね?」
「…」
にっこり笑って私の唇を指先でなぞった匡に、いつまで子ども扱いするつもりだ、とムッとする。
子供の頃から世話役だった匡は、私と6つも歳が違う。
だから、子供扱いが抜けないのも無理はないかもしれないけれど、こんな行為の最中にその物言いは…なんとも気に食わないのだ。
「…だったら、匡が黙らせば?」
「え?」
挑発するように顎を上げて、彼の首に腕を回す。
フォーマットの笑顔を外して真顔で私を見下ろす彼に向かって、べっと舌を突き出した。
「この舌、引きちぎるくらい深いキスで私の声を奪ってみなさいよ。」
「…、」
「そしたら、喘がないであげる。…ど?私お利口さんでしょ?」
にこっとキラースマイルを向けて尋ねれば、匡は一瞬驚いたように目を丸くした後、ははっと笑い声を漏らして目尻に皺を寄せる。
「ははっ、…本当、立派に成長したもんですね。」
「…ん、…」
「さすがは、俺のお嬢だ。」
「あ、っうう、」