磁石な恋 ~嫌よ嫌よは嫌なだけ?~
*唐突なキス*
屋上での熱くて長いハグから一週間後。初めてのデートは仕事帰りの猫カフェだった。

真海(まなみ)お気に入りのダイニングレストランで食事をし、閉店の50分ほど前に猫カフェに到着した。

滞在しているうちに客は減っていき、閉店15分ほど前には真海と悠馬(ゆうま)の二人きりになった。

猫達が少しずつスタッフルームに近い入り口付近に集まってくる。

「おお、これか!」

スタンバイしていた悠馬は興奮した様子でシャッターをきる。

「ふふん、まだまだこれからだよ。」

真海は楽しそうに笑う。

「あ~、こんな風に猫に囲まれて暮らしてえな。」

「いいね。キャットタワーとかおもちゃとかたくさん置いて。むしろ、設計の時点から猫のこと考えて家建てるとか。」

「本当、夢だな。でも掃除が大変かもな。俺掃除苦手だけど猫の為なら・・・お前は掃除も得意だったりするのか?」

「え・・・まあ、嫌いではないけど。」

「おお!ありがたい!教えてもらえたら俺頑張るから任せてくれ。」

悠馬はゴリラのように胸をどん!と叩いた。

「!?」

───それって将来一緒に暮らすってこと?つまり・・・。

真海の揺れ動く瞳を見た悠馬は自分の発言の意味に気づいた。

「は!?いや、その・・・。」

───何言ってるんだろ、俺。でも、将来を想像した時、普通にその風景の中に今城がいたわ・・・付き合い始めたばっかなのに。
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