MINE.
松田はわたしの傍では絶対に煙草は吸わない。車の中でも。
『十も離れてるんですよ、ガキじゃないですか』
その言葉に、ずくりと胸の奥を抉られた。
『どうだか』
『あー豊橋さんの奥方も随分若いですもんね』
『うちのは関係ねえ』
『いって! 脛が!』
その時の会話はずっと胸に残っている。
残っていて、わかっていたうえで、わたしは失恋した。
十も離れているガキに恋を抱くことはない。
そんなのは、分かってる。
目を醒ますと、ベッドの上にいた。自分のものではない。松田の匂いがした。