MINE.

素子さんは五十鈴さんの母親、つまり父の本妻。
確かにわたしがこの屋敷を出る理由のひとつに素子さんが居ることもある。

でも、わたしは十八だ。
法律上、もう結婚もできる。

もう子供じゃない。

『松田、もう決まったことだから』

そう言うと、松田が酷く傷ついたような悲しげな顔をしたので、どうしたら良いか分からなかった。

わたしは松田が何に傷ついたのかも、分からない。

十年も一緒にいて、送迎もしてくれて、ご飯も一緒に食べたのに。

いや、これからだって、好きな人の思うことの一つも、わたしは分からないんだろう。

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