MINE.
「帰りましょう」
そう言われて、腕を引かれた。立ち止まる勇気もなく、わたしは松田の後に続く。
いつもと同じ場所に車は停められており、松田は後部座席の扉を開けてくれた。何も言わず、わたしは乗り込む。
する話なんてない。
このまま寝たふりでもして家に着くまで過ごせば良い。
そう思っていた横から、松田が乗ってきた。
「え、なん、どうしたの」
驚きながらも少しずれる。隣に座る松田。
膝が触れる距離。
というか、膝を掴まれている。
「昼の話の続きをします」
「昼?」
「俺はお嬢さんをガキだと思ったことはありません」