悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画~それでも王太子を愛してしまいました
扉を開けると、オフィーリアはちょうど産婆に教わりながら、おっぱいをあげているところで、その赤子の髪は輝くようなプラチナブロンドだった。
オフィーリアと同じ色で、少しクルクルしているところもそっくりだ。

「アシュトン様」

少しけだるそうな声を出してはいるが、赤子を抱くやさしい表情はまさしく母親のものだ。

「この子の瞳はアシュトン様の色ですわ。ほらこちらへ」

反対側へ回ると、綺麗なエメラルド色の瞳をしている。

「ね」

「ほんとだな」

ニコニコ笑うオフィーリアがかわいくてアシュトンはチュッとキスをする。

「ありがとう。俺はオフィーリアが無事で何よりだ」

「あら、わたしまだまだ産むつもりですわよ。この子にきょうだいを作ってやりたいもの」

「だが、お前の身体は大丈夫なのか?」

「大丈夫です。医師もそうおっしゃってるでしょう?」

「そうだが…」

なんだかんだ未だにオフィーリアの身体が健康だということがとても信じられないアシュトンなのだ。

「こんなに小さくて折れそうではないか。」

といつも言っている。

「そういえば、マーリンも子を産んだようだ」

「まぁ本当ですか?」

昨年、キシュレー王国へ嫁いだ妹のマーリンも1年ほどで子をなすとは、それなりに夫婦仲良くやっているようで安心する。ときどき、オフィーリアにも手紙は来ているようだし。

「ミリタリー嬢は落ち着いたらお祝いに来ると言っていたぞ」

「まぁそれは嬉しいわ」

彼女とも相変わらず仲良くしているようだ。
数少ない友人の1人だろう。
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