天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
何度も何度も優しく唇に触れ、チュッと音が聞こえる。私は彼にされるがままだ。
ぎゅっとシャツを握りしめたままだがこれでいいのだろうか。
何度も彼が唇に軽いキスを繰り返してくるうちに私は徐々に顔を上を向けていた。

「茉莉花、好きだ」

キスの合間に聞こえてきた彼の切ない声に胸の奥が締め付けられる。
どれだけキスしていたのだろう。
ふとキスが終わり、また強く抱きしめられると頭の上に彼の頭が乗った。

「ダメだな。茉莉花が可愛すぎて止まらなくなりそうだ」

そう言われ、私は耳まで熱くなった。
私も啓介さんの唇が離れて寂しくなった。
抱きしめられた腕の中から離されたくないと掴んだシャツから手を離し、彼の腰に手を回すと少しだけ密着が近くなった。
そのままの姿勢でどれだけいたのだろう。

「ダメだ、これ以上こうしていたら茉莉花を家に帰せなくなる」

啓介さんはガバッと勢いよく離れた。
私は突然離され、温かい温もりが消えたことに寂しくなった。まだ啓介さんの胸元にいたいと素直にそう思った。緊張していたはずなのにこんなことを考えている自分がいて不思議な気持ちになった。
私は気がつくと自分から啓介さんの手を握っていた。
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