天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
どれくらい経ったのだろう。
最後にペロリと舐められて終わりを迎えた。

「このまま進みたい気持ちはあるんだ。けど茉莉花を大切にしたいから流されるようにしたくない。今この感情で2人の初めての日にしたくない。茉莉花の初めてはちゃんとしよう」

私、大切にされてるんだ。
なし崩しにしたくないって言われると彼の誠意を強く感じる。
彼に求められてることを感じるが、それでも私を大切にしてくれる気持ちを大事にしてくれる。こんなに素敵な人はいないと思う。

「啓介さん! 大好き!」

「茉莉花、俺の忍耐力を試してるの? この体勢でそんなこと言われたら離せなくなる。茉莉花のせいだからな。もう少しだけ味合わせて」

そう言うとまた大人のキスを彼に仕掛けられた。

そのまま彼は私のベッドでくっつくように抱き合いながら仮眠をとり、翌朝早くに家を出て行った。
私も少ししか眠れなかったが頭が冴え渡り、気持ちが高揚していた。
目が覚めた時に彼の顔が近くにあって、少しだけ髭の伸びた初めての顔が愛おしく思えた。
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