崖っぷちで出会った 最高の男性との最高のデート(ただし個人の感想です)
ホテルへと戻り、弓弦はたっぷりの泡を立ててジャクジーの浴槽に浸かった。
髪を洗って乾かし、ほこほことした気分でバスローブを着て戻ると、そこに悠がいて驚いた。
「は、悠さん」
「まさか、自分だけ泊まると思っていた?」
「・・・・」
「え、ほんとに?」
「す、すみません」
弓弦はぺこりと頭を下げた。予約したのは悠なのだから彼が泊まって当然。
でも一緒に泊まるなんて、それは弓弦にはハードルが高すぎる。
「お風呂、いただいちゃいましたけど、すぐに出ますので」
「ちょ、ちょっと、どうしてそうなるの」
「え、その・・このお部屋は悠さんのですから、私は・・」
「一緒に泊まる、って発想はないのかな」
「え?」
「それに、生憎今日は満室で、他に部屋はない。今から他のホテルも無理だよ」
胸に手を当てて宣誓するように反対側の手を上げる。
「君が望まないのに変なことはしない。だから落ち着いて」
「で、でも・・」
はっきりそう言われるのもそれはそれで傷つく複雑な乙女心。
デートでは常に優しかったけど、それもやはり同情と憐れみからのサービスだったのだ。
はっきりきっぱり言われて、弓弦は落ち込む。
「やっぱり、私って、魅力ないですか?」
「え?」
「女として、私ってもう終わっているんでしょうか」
「ちょ、弓弦・・さん?」
悠のような男性がつきあうのはきっと朱音のように洗練された女性。
華やかで全身を常に綺麗に手入れし、爪だって髪だってカリスマと呼ばれる人たちに任せているのだろう。
身につける物も一流。
スーパーの安売りの下着を身につけ、100円ショップのコスメを使い、自分で髪を切る。
今はまだ若いと言えるだろう。だから高畠も私に借金の代わりに嫁にと望む。
「悠さんから見て、私ってどうですか?」
「どうって?」
「悠さんが今で付き合ってきた彼女さんたちの足下にも及ばないことはわかっています。でも私だって女だから、少しは女性としてアピールできるもの、ありますか? 悠さんには」
「ス、ストップ。ちょっと落ち着こう」
弓弦の言葉を遮って悠が彼女の肩に触れる。
「少し、話をしようか」
「話?」
「そう、俺の事情。なぜ君にあんな風に怒ったのか」
あんな風とは初めて会ったときのことに間違いはないだろう。
「それは、知らない人間が家にいたら誰だって」
「まあ、それもそうなんだけどね」
外の景色が一望できるソファに弓弦を誘い、腰を下ろした。
既に太陽は沈み、星が瞬き始めている。暗闇で海と空の境界線がわからなくなっている。
「高校の時かな、朱音が友達何人かをつれてきて、パジャマパーティーをしたんだ」
赤ワインを飲み、外の風景を見据えながら悠が語り出した。
「両親もいたのに、塾から帰ってお風呂に入って部屋に戻ると、殆ど下着の女の子がベッドに寝ていた」
「え?!」
それは弓弦が彼の部屋で出会った状況と酷似していた。
髪を洗って乾かし、ほこほことした気分でバスローブを着て戻ると、そこに悠がいて驚いた。
「は、悠さん」
「まさか、自分だけ泊まると思っていた?」
「・・・・」
「え、ほんとに?」
「す、すみません」
弓弦はぺこりと頭を下げた。予約したのは悠なのだから彼が泊まって当然。
でも一緒に泊まるなんて、それは弓弦にはハードルが高すぎる。
「お風呂、いただいちゃいましたけど、すぐに出ますので」
「ちょ、ちょっと、どうしてそうなるの」
「え、その・・このお部屋は悠さんのですから、私は・・」
「一緒に泊まる、って発想はないのかな」
「え?」
「それに、生憎今日は満室で、他に部屋はない。今から他のホテルも無理だよ」
胸に手を当てて宣誓するように反対側の手を上げる。
「君が望まないのに変なことはしない。だから落ち着いて」
「で、でも・・」
はっきりそう言われるのもそれはそれで傷つく複雑な乙女心。
デートでは常に優しかったけど、それもやはり同情と憐れみからのサービスだったのだ。
はっきりきっぱり言われて、弓弦は落ち込む。
「やっぱり、私って、魅力ないですか?」
「え?」
「女として、私ってもう終わっているんでしょうか」
「ちょ、弓弦・・さん?」
悠のような男性がつきあうのはきっと朱音のように洗練された女性。
華やかで全身を常に綺麗に手入れし、爪だって髪だってカリスマと呼ばれる人たちに任せているのだろう。
身につける物も一流。
スーパーの安売りの下着を身につけ、100円ショップのコスメを使い、自分で髪を切る。
今はまだ若いと言えるだろう。だから高畠も私に借金の代わりに嫁にと望む。
「悠さんから見て、私ってどうですか?」
「どうって?」
「悠さんが今で付き合ってきた彼女さんたちの足下にも及ばないことはわかっています。でも私だって女だから、少しは女性としてアピールできるもの、ありますか? 悠さんには」
「ス、ストップ。ちょっと落ち着こう」
弓弦の言葉を遮って悠が彼女の肩に触れる。
「少し、話をしようか」
「話?」
「そう、俺の事情。なぜ君にあんな風に怒ったのか」
あんな風とは初めて会ったときのことに間違いはないだろう。
「それは、知らない人間が家にいたら誰だって」
「まあ、それもそうなんだけどね」
外の景色が一望できるソファに弓弦を誘い、腰を下ろした。
既に太陽は沈み、星が瞬き始めている。暗闇で海と空の境界線がわからなくなっている。
「高校の時かな、朱音が友達何人かをつれてきて、パジャマパーティーをしたんだ」
赤ワインを飲み、外の風景を見据えながら悠が語り出した。
「両親もいたのに、塾から帰ってお風呂に入って部屋に戻ると、殆ど下着の女の子がベッドに寝ていた」
「え?!」
それは弓弦が彼の部屋で出会った状況と酷似していた。