年上カメラマンと訳あり彼女の蜜月まで
「本当、お腹いっぱい! さっちゃん、美味しかった。ごちそうさまでした」

 睦月さんはそう言って手を合わせる。
 テーブルの上のお皿は、おじさんがおまけで付けてくれた『いただき』を含め全て綺麗になくなっていた。

 睦月さんは好き嫌いも言わないし、食べ方もとても綺麗だ。そして言葉の通りにとても美味しそうに食べてくれるから作った甲斐があった。

「あの、ケーキもあるんですけど……食べられますか?」

 立ち上がってお皿を片付けながら尋ねると、「もちろん!」と子どものような笑顔が返ってくる。ワクワクしている睦月さんを見ると、何か可愛い……と思ってしまった。

「じゃあ、先に片付けてしまうので、睦月さんは休憩しててください」

 お皿をを重ねていると、睦月さんは立ち上がって「俺も手伝う」と同じようにお皿を手にする。

「でも……」
「いいって。腹ごなしも必要だしね?」

 それに甘えて、一緒に食器を洗って片付け終える。ヤカンを火にかけている間に睦月さんには戻ってもらい、私は2つ目のプレゼントを手にソファに腰掛ける睦月さんの元に向かった。

「睦月さん、これが、その……2つ目のプレゼントです」

 睦月さんの横に一旦座り、私はさっきより少し大きな箱を差し出した。
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