Hold Me Tight
 そのあと、これまたTHE ALFAでは恒例らしい、逆井さんによるツアーグッズの紹介が始まった。マラカスライトだけでなく、お菓子やらパンフレットやらいろんなグッズが販売されているそうだ。笑いも交えながら魅力たっぷり、軽妙にグッズを紹介していく。

 そして「演奏会に戻りましょう」という高崎さんの声で演奏が再開された。ここで今日初めての高崎さんがメインボーカルの楽曲が演奏された。前奏はスペインを思い浮かべさせるような彼のアコースティックギターが基調となる前奏から始まった。真っ赤な照明がステージを照らし、情熱的な雰囲気にくらっときそうだ。さらに、優しく丁寧に歌う彼のその声に心が温かくなりキュンときてしまう。いったい、どういうことだろう。

 その後、MCを挟みながら演奏は進み、今年リリースされたアルバムから数曲が演奏される。アルバムの中からは高崎さんがメインボーカルの楽曲が1つ歌われた。ワルツ調でふんわりとした雰囲気の歌をこれまた優しくしっとりと歌い上げる高崎さんが素敵でうっとりと聞き惚れてしまった。

 そうかと思えば、アンコールでは高崎さんはシャツのボタンを3つも開けサングラス姿で再登場し、アンコール一発目のロック調の歌を天井沢さんとのツインボーカルで激しく歌い上げる。しかもギターは持たずにハンドマイク一本で歌う姿が、アンティークショップの店主のイメージからはかけ離れすぎていて、本当に同一人物なのかと疑いたくなるほどかっこいい。私は気持ちをそこに込めるように、青く光るマラカスライトを夢中で振っていた。

 そして、高崎さんは曲によってギターとパーカッションを演奏するので、なんと器用なことかと思った。華麗なスティック回しにため息が洩れてしまう。
 
 それから高崎さんが頻繁にしていたのがピック投げだった。2曲に1つのペースで投げているのではないかと思うほどに投げまくっている。しかも2階席にまで届きそうなほどめちゃくちゃ遠くに飛んでいく。一度だけ、私の勘違いかもしれないが、私に「いくよ」と目配せして私の方にピックを投げたような気がした。しかし残念ながらそのピックを取ったのは私の左隣の人だった。彼女はとても嬉しそうにキャッキャと声を上げていた。

 いよいよコンサートも終盤だ。フィナーレが近づいてくる。3人のスイッチボーカルでポップな歌が始まると、ステージの上方から銀テープが客席に向かって飛んできた。こんな演出があるのか!とびっくりしていると、観客たちは飛んできた銀テープを掴んでいた。私も記念にもらっておこう。
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