Hold Me Tight
あっという間に2時間半のコンサートが終わってしまった。音楽のライブコンサートというものに初めて行ったし、ほとんど知らない曲だったが、美しい照明の中で奏でられる音楽は臨場感たっぷり、3人とも最高の歌唱力で、さらにはMCで笑いを誘うという充実したコンサートだった。
ぞろぞろと観客たちが会場を出て行き始める中、余韻に浸っていると後ろから声をかけられた。
「失礼ですが、市川莉緒さんですか?」
「え、あ、はい」
ぼーっとしていたところに突然声をかけられたものだったので声が上ずってしまった。後ろを振り向くと、声をかけてきたのはどうやらスタッフらしい。
「高崎さんがお呼びです。ご案内しますのでこちらにどうぞ」
「高崎さんって、さっきあそこのステージで歌ってた人ですか?」
「はい」
コンサート直後のふわふわした気持ちで、私はスタッフにバックステージの方へ連れて来られた。アンティークショップの店主である高崎さんと先程までステージで歌っていた人が同一人物だとは到底思えなかった。今日のコンサートの様子で分かったが、おそらく、というか確実に高崎さんは相当な人たらしで、今日だって数多の女性のハートを打ち抜いていたと思う。耳に入ってくるのは高崎さんにまるで恋するような女性たちの声。
「高崎さん色気だだもれだよ~」
「高崎さんと絶対目合った!」
「逆井さん推しだったのに、高崎さんに肩入れしそう」
高崎さん、高崎さん、高崎さん…。
本当に、アンティーク高崎の高崎さん?
頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだ。そして今からコンサート直後の高崎さんに会おうとしている。たった今さっきまで、会場の女性たちを魅了していた高崎さんに。
ぞろぞろと観客たちが会場を出て行き始める中、余韻に浸っていると後ろから声をかけられた。
「失礼ですが、市川莉緒さんですか?」
「え、あ、はい」
ぼーっとしていたところに突然声をかけられたものだったので声が上ずってしまった。後ろを振り向くと、声をかけてきたのはどうやらスタッフらしい。
「高崎さんがお呼びです。ご案内しますのでこちらにどうぞ」
「高崎さんって、さっきあそこのステージで歌ってた人ですか?」
「はい」
コンサート直後のふわふわした気持ちで、私はスタッフにバックステージの方へ連れて来られた。アンティークショップの店主である高崎さんと先程までステージで歌っていた人が同一人物だとは到底思えなかった。今日のコンサートの様子で分かったが、おそらく、というか確実に高崎さんは相当な人たらしで、今日だって数多の女性のハートを打ち抜いていたと思う。耳に入ってくるのは高崎さんにまるで恋するような女性たちの声。
「高崎さん色気だだもれだよ~」
「高崎さんと絶対目合った!」
「逆井さん推しだったのに、高崎さんに肩入れしそう」
高崎さん、高崎さん、高崎さん…。
本当に、アンティーク高崎の高崎さん?
頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだ。そして今からコンサート直後の高崎さんに会おうとしている。たった今さっきまで、会場の女性たちを魅了していた高崎さんに。