❤️俺様外科医の溺愛、俺の独占欲に火がついた、お前は俺が守る
「へい、組長、お嬢さんは若頭の女なんで、ちょっと離れましょうか」

組長さんは功太さんの言葉で、我に帰ったように「すまん」と言って私から離れた。

「年寄りだと思って許してくれ」

「親父、今度まゆに触れたら殺すぞ」

もう、また、怖いこと言って工藤さんったら。

「まゆ、お嬢さんはまゆと言うのかね」

「はい、深海まゆと申します」

「お母さんの名前を教えてくれないか」

「母は深海まゆこです」

「今も健在か」

「いえ、三年前に他界いたしました」

「そうか」

組長さんは母を知っているのだろうか。

「あのう、母をご存知なのですか」

「ああ、結婚の約束をしていた」

まさかの衝撃の言葉だった。

「二人とも若い時の話だ、極道者と堅気の娘が恋に落ちたら、もう離れられない関係になっていた、まゆが十八の時だ、たくさん怖い思いや危険な目に合わせた、まゆは私の前から姿を消した、堅気の男を選んだんだ、それがお嬢さんの父親、深海健一郎だ」

< 75 / 263 >

この作品をシェア

pagetop