1日の君と1年の君

1日の一目惚れ

消えてしまいたい
自転車に乗りながらほんの一瞬そう思った。
体にピリつく生暖かい風、今の季節は春
桜の花びらが舞う季節。
春はあまり好きではない、大切な人がいなくなってしまった日だから。
俺の名前は佐々八蓮(ササヤレン)中学3年生来年の春には高校一年生になる、中学3年という忙しい時期に俺は皆が勉強してる中1人ひっそりと昔よく小さい女の子と遊んでいた草むらにきた。
ここは昔から落ち着く場所だった、仲の良かった小さい女の子、すごく楽しかった。
でも気づいた頃には女の子は,いなくなっていた、「悲しかったな、急にいなくなるなんて誰も思わないし、」そう小さくつぶやいた
俺の初恋の人でもあった。
もう一度会いたい、そう思った瞬間俺がふと横を見ると見覚えのあるような無いような外見、見たことのない制服を見に纏った女の子がいた。
その子は黄色く染まった夕日を見つめていた
俺はその姿に惚れてしまった。
「綺麗、」そう思ったそうすると女の子がふいっとこちらを向いた。
「!、」目が合ってしまったその瞳は宝石のように綺麗で目が離せなかった。
「どうかした?」女の子が優しく微笑む
「あ、いや、綺麗だなって思って」俺はそう言い急いで顔を下に向けた。
「ありがとう、そんなこと言われたの初めてなんだ」
「そうなんですね、すごく綺麗ですよ。ほんと同じ人間とは思えない程」
「ハハッそれ褒めてるの?」
「はいもちろん」俺は,自慢げに言った 
それから時間を忘れる程沢山話をした。
名前は,在城みのる(ザイジョウミノル)というらしいみのるさんか、いい名前だな、みのるさんと喋っていくうちに好きという気持ちが溢れてくる会って1日というのに、運命の人だと思えた。
どこかが俺の初恋の人に似ていて、その仕草もその綺麗な瞳もその声も全てが似ていた。

    「好きです。みのるさん」
そうつぶやいた。
みのるさんの方を見ると目をまん丸にしてびっくりしたような顔でこちらを見つめていた
「は、?何言って、」
「だから言ってるじゃないですか、俺はあなたが好きなんです。」馬鹿ことだとはわかってる、でも俺は,あなたの一言一句を大切にしたい、好きでいたい、あなたの言葉が俺が望んでいない言葉だとしても大切にしたい。


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